日常とTips

小さな会社のWeb担当者の備忘録。

スズキの不正は裁かれるべきなのか問題

先日、三菱自動車の不正が明らかになりました。三菱の自動車部門は日産の傘下になったりして、ちょっと前では考えられない変化が起こっています。

そして、鈴木も不適切な方法で燃費を計測していたようです。
ネットでは鈴木の不正と謝罪会見に対して賛否両論が起こっています。
カタログ燃費よりも燃費が伸びることもあるので「むしろ株が上がっている」という記事もあれば、なんだかんだ言っても「不正は不正だから裁かれるべきだ」といった意見もあります。

色々な意見がありますが、私個人が感じた事と、この件に対する意見を書きたいと思います。

目次

良い目的があっても、法律とそぐわないものは悪?

不正は不正だから裁かれるべきだというニュースを見て、私個人としては日本人らしい狭量さを感じました。

確かに鈴木が行った事は決して褒められるべきことではありません。 しかし、裁かれるほど重大なことでしょうか?

私はそう思いません。 不正行為であったのは間違いありませんが、誰かに不利益があったでしょうか。 今回のニュースを見る限りでは、特に不利益は見受けられませんでした。 その点を考えると、特にスズキが裁かれる必要はないように個人的には感じました。

法律で裁けない抜け穴の問題

昨今のニュースを見ていると、法律の抜け穴を狙った「グレーゾーン」の行為が多数報道されています。

例えばタックスヘイブンの問題があります。
パナマ文書が話題になりましたが、通常の方法で納税してはめちゃくちゃ税金を取られてしまうので、節税のために行われているようです。 これは微妙なラインで、法律では裁ききれない問題です。

法律は頭のいい人が作った頭のいい人だけが得をするようにできている仕組みです。
これは不正だけにとどまらず、行政は積極的には伝えませんが、制度を知っていれば得する事のできる仕組みはたくさんあります。

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ドラゴン桜 2巻 86ページより引用

舛添都知事の横領問題も然りです。
彼も都知事という立場を利用し、色々な算段を組んで市民の血税を横領しました。
仕組みを上手に利用しようとした結果です。

もちろん制度を知っていて上手に利用するのはいい事ですが、不正目的で使うのはダメです。
スズキの問題とどちらが裁かれるべき問題でしょうか?
このニュースを見て、かつて話題になったマイケル・サンデルの「正義」の話を思い出しました。

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紹介文より引用

1人を殺せば5人が助かる状況があったとしたら、あなたはその1人を殺すべきか?
つまるところこれらは、「正義」をめぐる哲学の問題なのだ。社会に生きるうえで私たちが直面する、正解のない、にもかかわらず決断をせまられる問題である。

スズキの不正問題も正解のない「正義」の問題になりそうです。
法律や規則を妄信せず、「これは果たして正しいのだろうか」と考える事も重要だと思います。

まとめ

スズキの不正は、タックスヘイブンの問題なんかと比べると、特に裁かれる必要がないように私は思いました。

法律にはたくさんの抜け穴があります。それゆえに、頭のいい人たちの中はその抜け穴をついて、飄々とグレーな事を行う人があります。

つまり法律には限界があるという事です。白か黒でしか裁けません。 最近のニュースから、その点が露呈してきたように感じます。

個人が正解のない問題を上手に決断する能力が問われているように思います。

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